1986年に日本との国交が樹立する以前にも、民間の交流や国連を通じた開発援助などの友好関係がありました。
中でも、1964年から28年間にわたって現地で農業技術の指導にあたった西岡京治氏はブータンの近代化に大きな足跡を残しました。JICA(現・国際協力機構)専門家として活動中の92年、現地で急逝した西岡氏は生前、外国人として唯一「ダショー」(高貴な人)の称号を国王から授与されました。
パロ郊外の棚田が綺麗なボンデにはダショー西岡チョルテンと呼ばれる白い記念塔の他、ダショー西岡記念館があります。ブータンの近代農業について学ぶ農業機械化センターなども訪問が可能です。
1988年から青年海外協力隊(JOCV)の派遣が始まり、それまで数人程度だった在留日本人の数も次第に増加。2004年現在、JICAのシニアボランティア、NGOの日本シルバーボランティアズなども加わり、これら技術援助関係者と国際結婚のパートナーなど、合わせて100人近い日本人がブータンで生活しています。
1990年代には、大阪の花博などの日本国内イベントや、ブータンへの観光旅行の一般化などでブータンと日本の交流がが一層盛んになりました。
国交はあるものの日本、ブータンのどちらも相手国に大使館・領事館を持たず、双方の在インド大使館が外交の窓口となっています。
ブータン王家と日本の皇室との交流では、現国王陛下が1989年の昭和天皇大喪の礼、1990年の現天皇陛下即位の礼に際して来日され、また皇太子殿下、秋篠宮殿下ご夫妻がブータンを訪問されています。
2011年11月、10月にご成婚されたばかりの第5代国王・王妃両陛下が国賓として来日され、その若さと爽やかさで、日本にブータンブームをもたらしました。